Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
ざっと学んでみる確率過程 〜その1 : ブラウン運動〜
Search
NearMeの技術発表資料です
January 19, 2024
Science
0
110
ざっと学んでみる確率過程 〜その1 : ブラウン運動〜
確率過程のイントロダクションとして、ブラウン運動を用いて、解について色々と調べています。各粒子の存在分布がどのようになるのか、それについて概論的にまとめています。
NearMeの技術発表資料です
January 19, 2024
Tweet
Share
More Decks by NearMeの技術発表資料です
See All by NearMeの技術発表資料です
Infrastructure as Code: Intro to Pulumi
nearme_tech
1
21
OR-Toolsの中⾝ -VRPの解法について-
nearme_tech
0
56
GTFSのデータを Streamlitで可視化してみた
nearme_tech
0
43
Offset / Cursor Paginationについて
nearme_tech
2
85
⼤規模⾔語モデルの拡張(RAG)が 終わったかも知れない件について
nearme_tech
23
16k
VRPを深層強化学習で解く
nearme_tech
0
76
Let’s go monorepo - intro to Nx.dev
nearme_tech
0
23
Dynamic Vehicle Routing のシミュレーションを Streamlitで作ってみた
nearme_tech
0
71
ログ監視ツールについて調べてみた
nearme_tech
0
61
Other Decks in Science
See All in Science
OptimizationNight~機械学習と数理最適化の融合~
hidenari
0
330
Transformer系機械学習モデルを取り巻くライブラリや用語を整理する
bobfromjapan
2
510
PRML Chapter 1 (1.3-1.6)
snkmr
1
100
SCOTT: Self-Consistent Chain-of-Thought Distillation
meshidenn
0
330
Pandas 2 vs Polars vs Dask (PyDataGlobal 2023 December)
ianozsvald
0
490
Science of Scienceおよび科学計量学に関する研究論文の俯瞰可視化_LT版
hayataka88
0
540
KDD2023学会参加報告
tereka114
2
360
Design of three-dimensional binary manipulators based on the KS statistic and maximum empty circles (IECON2023)
konakalab
0
250
2023-10-03-FOGBoston
lcolladotor
0
190
ベクトル型スーパーコンピュータ「AOBA-S」の性能評価
keichi
0
290
Machine Learning for Materials (Lecture 1)
aronwalsh
1
1.5k
AI Alignment: A Comprehensive Survey
s_ota
0
200
Featured
See All Featured
Agile that works and the tools we love
rasmusluckow
325
20k
ParisWeb 2013: Learning to Love: Crash Course in Emotional UX Design
dotmariusz
104
6.7k
How to name files
jennybc
65
94k
Visualization
eitanlees
137
14k
GraphQLの誤解/rethinking-graphql
sonatard
56
9.3k
Designing on Purpose - Digital PM Summit 2013
jponch
111
6.5k
Designing with Data
zakiwarfel
96
4.8k
Robots, Beer and Maslow
schacon
PRO
155
8k
What's new in Ruby 2.0
geeforr
338
31k
Design by the Numbers
sachag
274
18k
Understanding Cognitive Biases in Performance Measurement
bluesmoon
12
1.1k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
8
3.5k
Transcript
0 ざっと学んでみる確率過程 〜その1 : ブラウン運動〜 2024-01-19 第75回NearMe技術勉強会 Kaito Asahi
1 確率過程とは?の前に... 確率ってなんですか?
2 確率過程とは?の前に... 確率ってなんですか? → なんかいろんなものがある程度でるな...(サイコロを振って、1の⽬が1, 2回出る) → どのくらいでこれは出るのかな?(サイコロ10回振ったら、1の⽬はどのくらい) → こんな傾向があるよな?ということを定量的に表せないか?(確率の必要性)
→ 確率を可視化したいね(確率分布の必要性)
3 確率過程とは? 確率過程の定義
4 確率過程とは? 確率過程の定義 → 下線部分を確認しておきましょう
5 確率過程とは? 確率空間について → 確率を定義するために必要な空間 Q : 確率を定義するために何が必要でしょうか? A :
• 標本全体の集合(標本空間) • 確率の⼤きさを測るために必要な指標(σ - 加法族) • 確率というものを定量的に計算するためのもの(確率測度) ◦ 標本空間から、実数(空間)への写像など( )
6 確率過程とは? 確率空間について → 確率を定義するために必要な空間 Q : 確率を定義するために何が必要でしょうか? A :
• 標本全体の集合(標本空間) • 確率の⼤きさを測るために必要な指標(σ - 加法族) • 確率というものを定量的に計算するためのもの(確率測度) ◦ 標本空間から、実数(空間)への写像など( ) コインを投げる時、{{}, {表}, {裏}, {表, 裏}, {裏, 表}}
7 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 1. ブラウン運動を理解するため(ランダム⼒を含む⼒学) • 必要なパラメータ(定数を含む) ◦ :質量(kg) ◦ :速度ベクトル(m/s)
◦ :外⼒(N) ◦ :時間(s) • 基本の運動⽅程式(質量の時間変化は無視:基本は、運動量の時間変化が⼒となる)
8 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 1. ブラウン運動を理解するため(ランダム⼒を含む⼒学) • ⼀般的なStokes抵抗を受ける運動(粘性⼒による影響) ( :減衰パラメータ)として、
9 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 1. ブラウン運動を理解するため(ランダム⼒を含む⼒学) • ⼀般的なStokes抵抗を受ける運動(粘性⼒による影響) ( :減衰パラメータ)として、 これでは、ランダムな運動は表せない
10 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 1. ブラウン運動を理解するため(ランダム⼒を含む⼒学) • ⼀般的なStokes抵抗を受ける運動(粘性⼒による影響) ( :減衰パラメータ)として、 これでは、ランダムな運動は表せない →
Aは定ベクトルで、1方向にのみ推進
11 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 1. ブラウン運動を理解するため(ランダム⼒を含む⼒学) • ランダム⼒を加える ( :単位質量当たりのランダム⼒)として、 ※具体的な解法はAppendixスライドにて
12 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 1. ブラウン運動を理解するため(ランダム⼒を含む⼒学) • ランダム⼒を加える ( :単位質量当たりのランダム⼒)として、 ここの積分値が分からない...
13 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 2. 伊藤積分(確率積分) ⼀般化しておく ※以下を仮定
14 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 2. 伊藤積分(確率積分)
15 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 2. 伊藤積分(確率積分) • となる※ を導⼊する ※形式的に、 これにより、⼀般的な関数
f(s) を W での積分の形で表すことができた!! ※過去の勉強会資料を参照:これはブラウン運動を仮定 https://speakerdeck.com/nearme_tech/kuo-san-moderunogai-yao-ss1-kuo-san-moderudeshi-wareruque-lu-wei-fen-ch eng-shi-nituite?slide=13
16 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 2. 伊藤積分(確率積分) • 伊藤積分で成り⽴つこと 1. (期待値) 2. (等張性)
17 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 2. 伊藤積分(確率積分) • 伊藤積分で成り⽴つこと 3. (マルチンゲール) 4.
(線形性)
18 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 2. 伊藤積分(確率積分) • を導⼊することで、 確率微分⽅程式!!!!
19 2. 伊藤積分(確率積分) • もう少しこの確率微分⽅程式を⾒てみよう 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 ドリフト項 拡散項
20 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 2. 伊藤積分(確率積分) • 確率微分⽅程式を⼀般化 ドリフト項 拡散項
21 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 3. 伊藤の公式(とても便利な変数変換) → 確率微分⽅程式にて、変数変換を⾏うもの :変数変換 ※3次以降の項は無視する
22 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 3. 伊藤の公式(とても便利な変数変換) → 確率微分⽅程式にて、変数変換を⾏うもの :変数変換 ※3次以降の項は無視する ここから
23 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 3. 伊藤の公式(とても便利な変数変換) ただし、 伊藤ルール
24 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 3. 伊藤の公式(とても便利な変数変換) ただし、 伊藤ルール ブラウン運動であるので、 は標準偏差 の 正規分布に従うことから導ける。
25 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 3. 伊藤の公式(とても便利な変数変換)
26 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 3. 伊藤の公式(とても便利な変数変換)
27 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 3. 伊藤の公式(とても便利な変数変換) • 具体例: ,
28 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 3. 伊藤の公式(とても便利な変数変換) • 具体例: ,
29 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 4. 伊藤の公式の良い部分!! • 具体例: 4-1. 期待値:
30 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 4. 伊藤の公式の良い部分!! • 具体例: 4-2. 分散:
31 具体的な確率過程〜ブラウン運動〜 4. 伊藤の公式の良い部分!! • 具体例: 4-3. 従う確率分布: 定常確率密度分布(正規分布に従う!!)
32 参考⽂献 1. 機械学習のための確率過程入門 確率微分方程式からベイズモデル,拡散モデル まで(https://www.ohmsha.co.jp/book/9784274231087/) 2. σ加法族と可測空間の定義・基本的な性質をわかりやすく (https://mathlandscape.com/sigma-field/) 3.
伊藤の公式を直感的に理解する(追記:ブラック・ショールズモデル (https://www.monte-carlo-note.com/2018/09/Ito-Formula.html)
33 Appendix
34 Appendix 〜⾮⻫次項を含む線形常微分⽅程式の解法〜 • 以下の線形常微分⽅程式を解く
35 Appendix 〜⾮⻫次項を含む線形常微分⽅程式の解法〜 • として導いた以下の解を⽤い、定ベクトル を時間依存にする
36 Appendix 〜⾮⻫次項を含む線形常微分⽅程式の解法〜 • として導いた以下の解を⽤い、定ベクトル を時間依存にする
37 Appendix 〜⾮⻫次項を含む線形常微分⽅程式の解法〜
38 Appendix 〜⾮⻫次項を含む線形常微分⽅程式の解法〜
39 Thank you