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[新卒向け研修資料] テスト文字列に「うんこ」と入れるな(2024年版)

[新卒向け研修資料] テスト文字列に「うんこ」と入れるな(2024年版)

インフィニットループ社内の新卒向け研修で使われた資料、テスト文字列に「うんこ」と入れるな(事例などを追記した2024年版)です。

Infiniteloop

April 23, 2024
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Transcript

  1. 例えば… • コマンドの引数を打ち間違えた • DBのダンプファイルを取り違えて復元した • テスト用のファイルや画像を本番環境にデプロイしてしまった • LBの参照先設定を間違えた •

    リリース時に一部テーブルを消し忘れた • テスト環境だと思いこんでいた • そんな仕様だとは知らなかった 知らなかった… そんなつもりはなかった… 悪意はない…  膨大な数のテストデータは、0.001%の壁をくぐり!すり抜けて! うんこは本番環境に"必ず"現れる!!
  2. 正しいテスト文字列で防ぐ • 万が一漏れても問題ない文字列や画像を使う ◦ 例: 名前の場合 テスト太郎 ◦ 例: 会社名の場合 株式会社テスト ◦ 「ああああ」などでもよいが、それはそれでシュールな絵面になることもあるし、 開発時にカラム間違い等に気づける方が合理的

    ◦ 画像はウケを狙いがちなので特に注意、組織としてテスト画像を用意しておくと良い • 一見してテストとわかる文字の方が望ましい ◦ 実在する会社名だと万が一漏れた際に迷惑をかけるかもしれない ◦ テストデータであることが分かりづらいと取り違い事故などが発生する ※特に問題のない文字列だが、  外部に出ると話題になってしまう例 → 引用元: https://buzzap.jp/news/20210904-kyocera-analysis-center-member-aaaaaaaaa/
  3. 文化で防ぐ • 不適切な入力している人がいたら周りが止める ◦ 新人が「うんこ」など不適切な文字列を入れていたら諭す ◦ 不適切なテストデータを発見したら、原因を突き止める • 礼節を持って対応する ◦

    常に表裏なく、たとえクライアントに見られても問題ない振る舞いを行う • 冷笑する文化を作る ◦ 仕事中にふざけない ◦ うんこと入力することが本当に面白いのかよく考える ◦ ふざけている人がいたら冷笑する(面白がらない)、先輩や上司はきちんと注意する ◦ そのユーモアはもっと活かせる場で使うようにしよう ◦ 楽しい職場環境は大事なので、ふざけあえる場は別途作りそちらで遊ぼう
  4. 仕事中にはふざけない • 悲しい事故の99%はつまらない冗談から起きる • ユーモアや楽しい職場環境は大事だが、業務システム上でやるべきではない • プロ意識を持つこと(プロ=ユーモアの無い人 ではないはず) 事例: 尻エアーコンプレッサー

    • お尻から空気を入れることで何人もの死亡事故が起きている • 殺人の意思はなく、おそらく「冗談で」やっている (いじめ目的の場合もあるかもしれないが、きっと殺す気はないはず) • 機器やシステムが考えていたのと違う挙動をすることはよくあること
  5. 事例(4): まともな文字列を使うことの重要性 その2 JR東海のリニア・鉄道館サイトのお知らせの事例(2024/03/22) JR東海のリニア・鉄道館サイトのお知らせで、 誤ったテスト画面を表示してしまい、SNSで話題に。 > 「重要な重要が重要で重要」リニア・鉄道館サイトに > 奇妙な画面 誤ってテスト画面を表示 >

    見つけた人が「どうしたJR東海」「お腹痛い」と投稿。 という題名で、ねとらぼの記事にもなってしまう。 ※本文がまともだったため大幅なダメージ軽減ができて いるが、もしタイトルもまともだったら話題にもならな かったかもしれないという惜しい例。 ※タイトルは明らかに「不要なユーモア」 本文もふざけていたらと想像すると震える。
  6. 余談(1): メールのテストについて • メールアドレスにはテスト用の予約ドメインである 「example.com」「example.jp」や「.test」等を使うこと ◦ 例: [email protected] ◦ 例:

    [email protected] ◦ 例: [email protected] • 適当に打った「aaa.com」や「test.com」は使ってはダメ • メールが届いて相手に見られてしまったり、 User Unknownメールが飛び交うことになる
  7. 余談(2): ランダム文章の生成 • Word上で「=rand()」と入力するとランダムの文章が生成できる ◦ 引数の数字で長さを調整できる ◦ 「=lorem()」で英文のランダム文が生成 • 最近だとChatGPTなどのAIで生成してもよいかもしれない

    • とはいえ、一見してテストとわからない文字列は、 本番データとの取り違えが発生しそれはそれで厄介 • 組織で利用するサンプル文章を定めておくとよい ◦ 「吾輩は猫である。名前はまだない。どこで…」など ◦ 決まったサンプル文章であれば、すぐテストデータとわかる